2015年12月8日火曜日

人間の食性

私達人間は進化を繰り返して現在に至っている 。それは 口の中のにおいても同じことが言える。

 例えば ニッコリわらった 口元に見える前歯、 平らで 厚みが薄く  食べ物が噛み切れる形になっている 。

奥歯においては臼状の形をしていて 前歯で噛みきられた 食べ物は、この臼の奥歯でつぶしながら食べている。

そして、このような役割を持った歯の存在割合で、何をどんな割合で食べてきたかが予測される。
それは、人間の食性である。


繊維がたくさんある野菜などの食べ物は前歯でかみきってから口の奥に運ばれる。

特に犬歯は尖った形をしているので、肉などを噛み切るのに適しているが、犬歯の存在割合は全体の1割程度で一番低い。

逆に、奥歯(臼歯)のすりつぶしに適した食材は穀物類、でありその割合は全体の半分以上である。
      

という事は、


人間の食性は、そのほとんどが穀物で、野菜、ついで肉類となり、その割合で食べられていたことが、私達の歯の形から読み取れる。現代食は本来の割合の逆さまではないか?


さらに、
私達は咀嚼運動をして、食事している。
前歯で何かをかみちぎり、奥歯に送りながらすりつぶして、ひとつの塊にしてゴックンする ・・・この流れが基本である。



ところが この 咀嚼という 言葉どおりの食事が現代されているかと言うと、 残念ながら 本来の機能を十分に使われないまま 丸呑み状態になっていることが多い。

小学校の給食の時間、10分以内に食事を終えてしまう児童がいた。
「なぜ10分以内で食事を終わらせることが出来るかというと?」と返すと、「噛んでないからー。」と、返事がかえってきた。
本人は、その理由が充分わかっているのだ。

でも効率に任せてか、できてしまうからか、日々習慣になっている。

毎年行われる地元の餅つきで、昼食時間のあいだに、お口の健康について話すというお題をいただいた。

ここは、三世代が集まった場所、当たり前にある機能を当たり前の視点で話すことがあってもいいのかなと、今回は「人間の食性」という切り口から、話がはじまった。


10年ほど前に離乳食の食べ方について勉強したことがある。

離乳期の半分以上は飲み込みかたの練習をする。 後は 前歯で食べ物をかじり取り 、自分の一口量を覚える という作業 仕上げていく過程を繰り返して離乳期が完了する。

この作業を覚えるために あらゆる性状の 食べ物 で口の中の処理のしかたを練習、訓練し、手と口の首、頭の連動共同作業を学ぶ。

歯の機能を、フル活用するための、練習メニュー「よく噛んで食べるために」




そして、そこに関わる介助者の大人は、おさじの取り扱い方を知る必要がある。

何を基準に、介助に付けばよいかを、説明するものは、一般的に少ない。
がために、噛まない・噛めない習慣を大人は知らないで教えているのが現状だ。


とても大切なこと、それは考えたら当たり前の事。

子どもは、成長期を一気に駆け抜ける。

大人がぼやっとしていると、必要なタイミングを取り逃がしてしまう。


人間の食性から、歯の機能を知り、今ある歯を、よく使って、よくお手入れして、健口生活始めよう。








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